時間とお金を失う方法

 <開始日:2025年1月12日(日)>

<配信日:2026年8月30日(日)>

 

時間とお金を失う方法

 

著者:ポール・グレアム

https://paulgraham.com/selfindulgence.html

 

日本語訳:金 東煜

 

 

<表記について>

1. 原文をしっかり理解するために、英語の勉強がてら気になる英単語には()として日本語の意味を追記しました。

2. 英語の熟語には下線を引き、青色で表記しました。

3. 重要だと感じた文書は太字で強調しております。特に重要だと思っている文書(考え方)には、赤の太字で協調しております。

 

 

Source:https://paulgraham.com/selfindulgence.html

 

時間とお金を失う方法

 

2010年7月

 

1998年に私たちのスタートアップを売却したとき、私は突然、多額のお金を手にすることになりました。そこで私は、それまで考える必要のなかったことを考えなければならなくなりました。それは、「どうすれば、そのお金を失わずに済むのか」ということです。貧しい状態から豊かになることが可能であるのと同じように、豊かな状態から貧しくなることもあり得ることは分かっていました。しかし、私はそれまでの数年間、貧しい状態から豊かになる道についてはかなり多くの時間をかけて研究してきた一方で、豊かな状態から貧しくなる道については、ほとんど何も知りませんでした。そこで今度は、それらの道を避けるために、いったいどこにその落とし穴があるのかを学ばなければならなくなったのです。

そこで私は、人々がどのようにして財産を失うのかに注意を向けるようになりました。もし子どもの頃の私に、「お金持ちはどうやって貧しくなるのか」と尋ねたなら、きっと「持っているお金を全部使ってしまうから」と答えていたでしょう。本や映画では、たいていそのように描かれています。なぜなら、そのほうがドラマチックだからです。しかし実際には、多くの財産が失われる原因は、浪費ではありません。その最大の原因は、誤った投資なのです。

大きな財産を、気づかないうちに使い果たしてしまうというのは、実はそう簡単なことではありません。ごく普通の金銭感覚を持つ人なら、数万ドル以上を使おうとすれば、途中で「これはかなりお金を使っているな」と気づくでしょう。ところが、デリバティブ(金融派生商品)の取引を始めれば、ほんの一瞬で100万ドルを失うこともできます。実際のところ、その気になれば、いくらでも失うことができるのです。

多くの人にとって、贅沢品にお金を使うことには警戒心が働きますが、投資をするときには同じような警戒心は働きません。贅沢は、自分の欲望を満たすための行為のように感じられるからです。そして、そのお金を相続や宝くじで手に入れたのでない限り、私たちはすでに、「自分の欲望のままにお金を使えば、いずれ問題を招く」ということを十分に学んでいます。ところが、投資はそうした警戒心をすり抜けてしまいます。投資では、お金を使っているわけではなく、単に一つの資産から別の資産へ移しているだけだと感じるからです。だからこそ、高価なものを売ろうとする人たちは、「これは投資です」と言うのです。

その解決策は、新たな警戒センサーを身につけることです。ただし、これは簡単なことではありません。なぜなら、浪費を防ぐための警戒心は、私たちのDNAに組み込まれているのではないかと思えるほど根源的なものですが、誤った投資を避けるための警戒心は、経験を通じて学び、身につけなければならないからです。しかも、その判断は、ときに私たちの直感とはかなり反するものになります。

 数日前、私はある意外なことに気づきました。時間についても、お金とほとんど同じことが言えるのです。時間を失う最も危険な方法は、遊んで時間を使ってしまうことではありません。「仕事をしているつもりの偽りの仕事(fake work)」に時間を費やしてしまうことです。遊びに時間を使っているときは、自分が好きなことをして時間を浪費しているという自覚があります。そのため、比較的すぐに自分の中で警戒心が働き始めます。もし私が朝起きてソファに座り、そのまま一日中テレビを見て過ごしたとしたら、「これは何かひどく間違っている」と感じるでしょう。想像しただけでも、ぞっとします。一日中どころか、ソファに座って2時間テレビを見ているだけでも、私はだんだん落ち着かなくなってくるでしょう。

 それでも実際には、「一日中テレビの前に座っていたのと大して変わらなかった」と言えるような日が、私にも確かにありました。一日の終わりに、「今日は一体、何を成し遂げたのだろう?」と自分に問いかけてみると、答えは「結局、ほとんど何もしていない」そんな日です。もちろん、そういう日も後味はよくありません。しかし、一日中ソファに座ってテレビを見て過ごしたときに感じる罪悪感とは、比べものになりません。もし一日中テレビを見て過ごしたら、自分がどんどん堕落していくような気分になるでしょう。ところが、結局何も成し遂げられなかった日には、同じような警戒心は働きません。なぜなら、表面的には「本当の仕事」のように見えることをしているからです。例えば、メールの対応です。机に向かってやっています。楽しいことでもありません。だから、「これは仕事に違いない」と思ってしまうのです。

時間についても、お金と同じように、単に快楽を避けるだけでは、もはや自分を守ることはできません。狩猟採集民の時代であれば、おそらくそれで十分だったでしょうし、産業革命以前の社会でもそうだったのかもしれません。だからこそ、生まれつきの本能と後天的な教育の両方が、私たちに自分の欲望に流されることを避けるよう仕向けています。しかし、現代の世界は以前よりはるかに複雑になりました。今や最も危険な罠は、一見すると勤勉で有益な行動のように見せかけることで、「自分を甘やかしている」という私たちの警戒センサーをすり抜けてしまう、新しいタイプの行動なのです。そして何より最悪なのは、そうした行動は、楽しみですらないということです。



謝辞

本稿の草稿を読んでくださったSam Altman、Trevor Blackwell、Patrick Collison、Jessica Livingston、Robert Morrisの皆さんに感謝します。

 

 

<特記事項>

1.原文(当該の言語)をベースに、英語、日本語、韓国語へと翻訳を行っております。

2.配列の順番は、原文(当該の言語)を主としているため、その都度、順序は変わります。

3.英語から日本語への翻訳は、英辞郎アルク:https://eow.alc.co.jp/)を活用しております。また、文書全体の翻訳はChatGPT(https://chatgpt.com/)を活用しておりますため、多少ニュアンスの違いが生じる可能性があります。

4.本ブログの内容に訂正または修正及び追記が必要な場合は、当該の文書に対してコメントをいただけますと対応させていただきます。

5.特定のコンテンツにおいて、より具体的な説明または文献情報が必要な場合は、当該の内容についてコメントいただきますと可能な限りご対応させていただきます。

6.掲載内容は予告なしに追記または修正が加わる可能性がありますのでご了承ください。

 

 

The next update is scheduled for Sunday, August 30, 2026. We hope you look forward to it!

次回の更新は2026年8月30日(日)に予定されています。どうぞお楽しみに!

다음 업데이트는 2026년 8월 30일(일)로 예정되어 있습니다. 많은 기대 부탁드립니다!

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