How to hire 採用方法
<開始日:2025年1月12日(日)>
<配信日:2025年9月7日(日)>
How to
hire
採用方法
Written by Sam Altman
https://blog.samaltman.com/how-to-hire
日本語訳_金 東煜
2025年9月7日(日)初版第1刷り発行
<表記について>
重要だと感じた文書は太字で強調しております。特に重要だと思っている文書(考え方)には、赤の太字で協調しております。
Source:https://blog.samaltman.com/
スタートアップが資金調達を行った後、次に直面する最大の課題は採用です。優秀な人材を採用することはとても難しく、同時に極めて重要であることが分かっています。実際のところ、これは恐らく創業者が行う最も重要な仕事と言えるでしょう。
優秀な人材を採用しなければ、成功することはできません。企業とは、創業者が築くチームの産物だからです。大切な企業を一人で築くことは不可能です。並みの人材で上手くマネジメントすれば良い成果を出せると考えてしまいがちですが、それは大きな誤解です。
採用に関するアドバイスをご紹介します。
“採用にはもっと時間をかけましょう。
ほとんどの創業者は、採用に十分な時間をかけていません。ビジョンを明確にし、プロダクトと市場の適合性を確立した後は、恐らく自分の時間の3分の1から半分を採用に費やすべきです。これは極端に聞こえるかもしれませんし、他にもやるべき仕事は山ほどあるでしょう。しかし、採用こそが最も影響力の大きい仕事であり、優れた企業には常に優れた人材がいるものです。
この仕事を外部に任せることはできません。自ら時間をかけて人材を見極め、候補者に自社で働きたいと思ってもらい、面接に来る全ての人と直接会う必要があります。Keith Rabois氏は、CEOや創業者は少なくとも社員が500人に達するまでは全ての候補者と面接すべきだと考えています。
*最初は自ら手を動かしましょう。
時間をかけるという点では、採用する前にその職種について学ぶことが大切です。理解していなければ、適切な人材を見つけるのは非常に難しくなります。典型的な例として、ハッカー気質のCEOが自らの手を動かしたくないからという理由で、営業担当副社長(VP of
Sales)を採用するケースがあります。これはうまく行きません。先ずは自分でその業務を経験し、細部まで理解する必要があります。その後、取締役会や投資家の意見を参考にしながら最終候補者を選ぶとよいでしょう。
*優秀で実行力のある人を探しましょう。
職種ごとに求める具体的なスキルは異なりますが、最低限の条件として優秀でかつ実行力があることです。驚くことに、多くの人がこの基本的な要件を妥協しようとします。しかし、そうした採用は初期段階のスタートアップでは確実にうまく行きません(将来的にも成功しないかもしれません。)。
幸いなことに、こうした資質を持つ人材を見極めるのは、簡単です。
候補者がこれまでに取り組んできたことについて話を聞きましょう。最も印象的なプロジェクトや最大の成果について尋ねて見てください。特に、普段の業務の過ごし方や、直近1ヶ月で達成したことについて詳しく聞くと良いでしょう。特定の分野を深掘りし、候補者自信が実際に何を行ったのかを確認してください。成功したプロジェクトの手柄を簡単に主張できてしますため、具体的な業務を聞くことが重要です。また、面接を受けている職種に関連する課題について、どのように解決するかを尋ねて見てください。
それに加えて、適切な質問を用いたリファレンスチェックを行えば、その人の実行力についてかなりの確信が持てるはずです。また、1時間の会話を終える頃には知性も判断できるでしょう。面接を通じて何も学びがなかった場合は、それは良くありません。もし面接中に退屈を感じたら、それはとても良くないです。良い面接とは、単なる質疑応答ではなく、自然な会話のように感じられるべきです。
スタートアップでは、採用した人材が3~6か月後には全く新しい業務を担当している可能性が高いいことを忘れないでください。優秀で実行力のある人材は、環境の変化に適用できるものです。
*役割の適性を見るために、面接ではなく実際に業務を体験してもらいましょう。
これは、私が持っている最も重要な実践的なアドバイスです。数回の面接だけでは、一緒に働くとどのような感じかを把握するのは難しいですが、実際に一緒に仕事をして見れば、それを理解するのはずっと簡単です。
可能な限り(そしてほとんどの場合可能です)、採用する前に1~2日間、一緒に仕事をしてもらいましょう。これは夜間や週末に行うこともできます。例えば、開発者を面接する場合は、重要ではないが実際のプロジェクトに関わるコードを直接書いてもらいましょう。PR担当者であれば、プレスリリースを書いてもらい、それを売り込むべき貴社を特定してもらうのが良いでしょう。この作業のために契約社員としての契約を結び、通常の外部委託と同様に報酬を支払ってください。
この方法を取ることで、面接だけでは得られないその人と実際に働く感覚や職務に対する適性をもっと深く理解することができます。また、候補者自身も自社で働くことがどのようなものかを体験することができるでしょう。
*適切な候補者を見つける方法に注力しましょう。
基本的には、「自分の人脈をもっと活用する」ということに尽きます。私がこれまで見た中で、最も優れた人材の採用ルートは、少なくとも10倍の差で「友人」や「友人の友人」でした。例え「この人は無理かもしれない」と思っても、最高の人材には粘り強くアプローチしてください。成功率が5%だったとしても、それだけの価値は十分にあります。
私が知り限り、優れたスタートアップは、想像以上に長い期間この方法で採用を続けています。一方、上手くいかないスタートアップほど、これを実践しない理由を並べがちです。
誰かを採用したら、その人が優秀だと確信した時点で、一度じっくり話をし、是非採用すべき人材の名前を挙げてもらいましょう。この作業にはかなりの努力が必要になるかもしれません。
優秀な人材を獲得するためには、引き抜きを行う必要があります。こうした人材は通常、転職活動を行っていないため、求職中の人に限定して採用活動を行わないようにしましょう。難しい問題は、知人の会社から引き抜きをする場合にどう対応すべきか、という点です。これについての明確な答えはありません。私のある友人は、「引き抜きはシリコンバレーの人間関係における“乳首ドリル”のようなものだ」と言っていました。
テクニカルリクルーターはかなり良くありません。求人掲示板は一般的にさらに劣っています。カンファレンスは良い場合もあります。技術的な採用には興味深い技術系のトークを開催することが有効です。大学での採用活動は、ある程度会社が確立されてから効果的に機能します。
採用活動を自分の地域の候補者に限定しないようにしましょう。特に勤務先がサンフランシスコのベイエリアにいる場合は、引っ越したいと思う人が多いため、より広い範囲で人材を探すことが重要です。
候補者の発掘は長期的な投資だと考えましょう。今時間をかけて関係を築いた相手と、実際に採用の話をするのが1年以上になることもあります。
投資家やそのネットワークを活用して候補者を探しましょう。投資家向けの定期報告メールで、どのような人材を採用したいのかを伝えるようにしてください。
因みに、もし私が人材紹介スタートアップを立ち上げるとしたら、できるだけ個人のネットワークを活用した採用に近い形で運用すると思います。なぜなら、それが最も効果的だからです。会社のメンバー全員が、ある候補者とどのように繋がっているかを可視化し、社内の人脈を検索できるようなサービスがあれば素晴らしいと思います(リンクドイン(LinkedIn)は営業職には向いているかもしれませんが、開発者の採用にはあまり向いていません)。
*ミッションを持ちましょう。そして、採用においてどれほど「売り込み」が必要になるかを覚悟しておきましょう。
優れた人材を採用するためには、明確なミッションが必要です。優れたチームと働きたいという気持ちに加えて、候補者はあなたのミッションを信じる必要があります。つまり、「何故この仕事が、他の選択肢よりも重要なのか?」を納得してもらうことが大切です。まだ圧倒的な急成長を成し遂げる前の段階で、候補者の心を動かすようなミッションを揚げることが、優秀なチームメンバーを集めるために最良の方法だと言えます。
創業者として、自分と同じくらい会社にワクワクする人ばかりだと考えてしまいがちですが、実際にはそうではありません。候補者に自社のミッションに対して熱意をもってもらうために、多くの時間を費やす必要があります。
もし魅力的なミッションを持ち、それを上手く伝えられれば、少しオーバースペックな人材を採用できるでしょう。とはいえ、急成長するスタートアップでは、彼らも直ぐに「自分にはまだ早い」と感じるような役割に就くことになるものです。
取締役会や投資家を活用して候補者の採用を確定しましょう。
採用したい人が決まったら、直ぐにクロージングモードに切り替えましょう。新しい採用者の上司となる人物(理想的にはCEOも)が、候補者を確実に獲得するために全力を尽くし、少なくとも1日1回は連絡とるようにすべきです。
*好きになれる人を採用しましょう。
ストライプ(Stripe)では、これを「サンデーテスト」と呼んでいるそうです。つまり、「この人と一緒に過ごしたくて、日曜日にオフィスに行きたいですか?」という基準です。一緒に働く仲間を好きになれるかどうかは、良い企業文化を築く上で非常に重要です。これまでに、能力的には優れているものの個人的に好きになれなかった候補者に出会ったことが数回あります。私は、そのうち一度だけ採用をしましたが、それは間違いでした。
とはいえ、ある程度の思考の多様性は確保すべきだということを忘れないでください。統一性が求められる特性もあります。例えば、誠実さや知性など。しかし、全ての特性が同じである必要はなく、むしろ幅広い視点をカバーできるようにすることが重要です。
*採用時に重視する文化的価値観を明確に持ちましょう。
自社の文化的価値観をどのように設定いするか、多くの時間をかけてじっくり考えましょう(インタネット上に良い事例がいくつかあります)。会社全体がそれらの価値観を理解し、共感できるようにすることが大切です。採用する人は、必ずその文化に適合している必要があります。
アンドリューメイソン(Andrew Mason)氏は、「価値化とは、創業者であるあなたが意思決定を行うのと同じ判断を、従業員が対立する利害(例えば、成長 vs 顧客満足)に直面した際に下せるようにするための意思決定の枠組みである」と述べています。
自分のやり方に固執し、あなたの価値観に共感できない人もいます。そのような人は最終的に解雇することになる可能性が高いでしょう。
因みに、創業初期にはリモート社員を避けることをお勧めします。企業文化がまだ形成されている段階では、全員が同じ場所にいることが重要だからです。
*妥協しないでください。
スタートアップの厳しい環境では、「今すぐ人が欲しい(原文:昨日でも人が欲しい)」と感じる場面が常にあり、本当は十分に優秀でなかったり、会社の文化的に適合しなかったりする人を、目の前の仕事をこなすために採用してしまいがちです。しかし、特に創業初期においては、決して妥協してはいけません。適切に対処されないまま放置されたたった一人の不適切な採用が、会社を崩壊させることもあります。取引を失ったり、製品のリリースが遅れたりすることよりも、平凡な人材を採用してしまう方が、はるかに大きなリスクです。
優秀な人材は、さらに優秀な人材を引き寄せます。しかし、一人でも平凡な人材がチームに加わると、この好循環を一気に崩す可能性があります。
*報酬パッケージは惜しみなく提供する。ただし、主に株式で。
スタートアップでは、ほとんどすべての面で極力節約すべきです。しかし、優秀な人材への報酬だけは例外とすべきです。
この意見には反発もあるかもしれませんが、これは正しい戦略です。市場相場以上の給与を求めるのであれば、株式によるリターンを見込めない大企業で働くべきでしょう。
理想的には、従業員が資金繰りに悩まない程度の給与を支払うのが望ましいです。株式の配分は難しい問題ですが、最初の20人の採用に関しては、投資家が提案する額の約2倍を目安にするのが良いようです。成長はしているものの、爆発的な成功には至っていない企業の場合、一般的な目安として、最初のエンジニアは約1.5%、20人目には約0.25%の株式を提供するケースが見られます。ただし、実際の数値には大きなばらつきがあります。
因みに、非常に成功しているあるYC企業では、ほぼすべてのエンジニアに対して一律の給与を設定しており、これが上手く機能しているようです。この給与は、彼らが他の企業で得られる額よりも低いですが、彼らは明らかに仕事を楽しんでおり、株式の価値が将来的に大きくなると信じています。この条件を受け入れる人材こそが、スタートアップに適した人材です。そして、よほどの問題が起こらない限り、この時点でこれらのエンジニアたちは、他社で高い給与をもらうよりも、はるかに多くの報酬を得ることになるでしょう。さらに、彼らの職場環境はずっと良いものになっているはずです。
多少の交渉が必要になることは避けられません。そのため、交渉の仕方を学びましょう。一般的に、特定の人材を獲得するために報酬体系を大幅に崩すのは良くない判断です。その情報は直ぐに広まり、他の従業員の不満を招くことになります。
*警戒すべき兆候を見逃さず、自分の直感を信じましょう。
もし言葉にし難い「何か引っかかる感じ」があるなら、その人は採用しない方が良いでしょう。
*常に採用活動を続けましょう。
残念ながら、採用活動は通常、単発の取引のようには機能しません。必要なポジションを埋めるために急に始めるのではなく、常に継続的に取り込むべきものとして考える必要があります。このプロセスにはある程度の不確実性が伴います。そのため、もし2か月後に必要となるポジションに最適な人材を見つけた場合でも、迷わず今すぐ採用すべきです。
*素早く解雇しましょう。
新人の創業者で、十分に素早く解雇を決断できる人に出会ったことはありません。しかし、数年経つと誰もがこの教訓を学ぶものです。
全ての採用が100%上手く行く訳ではありません。明らかに上手く行っていない場合、それが突然好転する可能性は低いでしょう。状況が良くなるという非現実的な期待を抱え続けるのではなく、早めに別れた方が、関わる全員に取って良い選択です。特に、解雇される本人にとっても、その方が良い場合が多いです。数か月しか在籍していなければ、将来の面接においても大きな問題にはなりません。そして、多くの場合、その人が上手く行っていないことを経営者のあなたよりも先に周囲の社員が気付いているものです。
人を解雇しなければならないことは、創業者にとって最も辛い仕事の一つですが、早く決断して実行することで、結果的に事態は良い方向へ向かいます。先延ばしするのは逆効果です。
*採用プロセスには一定の厳格さを持たせましょう。
チーム全員に対して、面接した候補者ごとに「採用/不採用」の決定を下し、その理由を文章にまとめるよう求めましょう。もし採用判断を誤った場合、後から振り返る際に有益な資料となります。候補者が面接を終えて帰った後、面接チーム全体で短時間の対面ディスカッションを行うのも良い方法です。
候補者をランチやディナーに連れて行く人を決めましょう。全ての面接や実務試験には、全員が時間を守り、準備を整えて臨むことを徹底してください。また、全ての候補者が貴社に対して良い印象を持って帰るように努めましょう。
面接は組織的に進めましょう。面接プロセス全体を調整する担当者を一人決め、カバーすべきトピックが漏れなく扱われるようにし、全ての面接が終わった後に話し合いの場を設けるなどの対応を行ってください。また、採用の判断基準を一貫したものにすることも重要です。例えば、「全員一致の同意が必要なのか?」といった点を事前に決めておきましょう。
優れた能力を持つチームメンバーであっても、必ずしも面接が上手とは限りません。適切な面接の方法を教えることも大事です。
*採用しないでください。
多くの創業者は、単に「採用することがかっこいい」と思ってしまいがちです。また、周囲からも「何人の社員がいるのか」と常に聞かれることもあります。しかし、企業は一般的に、小規模な方が上手く機能します。最小限のプロジェクトや業務に集中し、それを実行するために可能な限り少人数のチームを編成することを常に検討する価値があります。
採用すること自体を目的にしてはいけません。本当にやりたいことを実現するために、他に方法が無い場合にのみ採用をすべきです。
常に新しい才能を見つけ、育成することを意識してください。これは、新しい課題を解決するほど、華やかなことではありませんが、あなたを成功に導くでしょう。
この文章の草稿を読んでくれたパトリック・コリソン(Patrick Collison),アンドリュー・メイソン(Andrew Mason), キース・ラボイス(Keith Rabois), ジェフ・ラルストン(Geoff Ralston), and ニック・シヴォ(Nick Sivo)に感謝します。
<特記事項>
1.原文(当該の言語)をベースに、英語、日本語、韓国語へと翻訳を行っております。
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次回の更新は2025年9月14日(日)に予定されています。どうぞお楽しみに!
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is scheduled for Sunday, September 14, 2025. We hope you look forward to it!



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